こんにちは。三味線ちづるです。
梅雨まっさかりですね。
ムシムシする日が続いていますが、三味線も私も湿気に滅法弱いので、温度・湿度ともに万全な空調管理がされた我が家で快適にこのブログを書いております(^▽^)
さて『鳴らす阿呆へまっしぐら』も第5回目となりました。
毎回、頭から煙を出しながら書いていますがもう終盤戦です!
これまでのブログを読みたいという方はコチラ↓からどうぞ♪
『 鉦編』 『大太鼓編』 『締太鼓編』
お題は『 笛』です!
お囃子の主旋律を奏でる、いわば阿波おどり鳴り物の花形です。
和楽器において横笛は「龍笛」「能管」「神楽笛」「篠笛」などがありますが、阿波おどりのお囃子では主に「篠笛」が使われます。
「龍笛」「神楽笛」は雅楽、「能管」は能楽や歌舞伎などで使用されますが、「篠笛」は庶民の笛という形で発展したため阿波おどりなど各地の祭囃子で使用されるようになったようです。
そんな庶民の味方な篠笛ですが、篠笛の中でも古典調や唄用などいくつか種類があります。
このブログでは阿波おどりで主に用いられる「唄用」と言われるドレミで調律された篠笛について書いていきます。
連の笛メンバーにお願いし、ずらっと並べてみました!
サイズが全然違うー!
上から
・一本調子
・六本調子
・七本調子
・七本調子(六穴)
となっており私が使っているのは下から2番目の「七本調子」のみさと笛です。
さっそく聞き慣れない単語がたくさん出て来ましたね(^ ^)
まずX本調子と言っているのは、音の高さのことです。
数が大きくなるほど音は高くなります。
東京新のんき連では「七本調子」で演奏しますので、笛も「七本調子の笛」を用います。
唄用の篠笛はドレミに合うように調律されていますので、 笛の調子を西洋音階で表すとこのようになります。
この表から七本調子の笛は基音が「B」の笛ということが分かります。
そして私の使用している「みさと笛」は「篠笛」にはない 裏穴が空けられており、より西洋音階(ドレミ)と合わせやすいように篠笛を改良されたものです。
では本題の材質およびサイズを。
【材質】・・・しの竹
【サイズ】・・・長さ:約41cm
本数が小さい方が長さ太さともに大きくなります。
上の画像を見ても分かる通り、一本調子の笛が一番大きいですね(^ ^)
【塗り】・・・カシュー、本漆など
一般的に竹筒の内部は乾燥や湿気防止のため、カシューという漆系の合成塗料が塗られています。
高級品になると本漆が使用され、竹筒の外側にも塗られます。
また、全く塗りのないものを「素竹」といい響きもよいとされていますが、強度が落ちるため特に湿度変化には注意が必要です。
【巻き】・・・藤や樺など
画像では分かりにくいですが、細い糸のようなものが上下に巻き付けられています。
竹はその性質上縦に割れやすいので、筒の上からぐるぐると巻いて強度を出します。
素竹:何も巻かれていません。締め付けられていないため音が出しやすいと言われていますが乾燥などに弱くなります。
天地巻き:笛の両端にのみ巻かれています。素竹よりも強度にすぐれています。
半重:天地巻きよりも多く巻かれます。強度にもすぐれ力強い音色になります。
あと画像にはありませんが「総巻」という巻き方もあり、これは笛全体に巻きがあります。
巻きは装飾の意味合いもあり、総巻の笛はとても美しいです(=^ ^=)
町を練り歩く流し踊りでは「ぞめき」のみで踊りますが、舞台などの演舞では様々な曲を演奏します。
その一部分ですがご紹介したいと思います。
【ぞめき】
いわゆる阿波おどりの基本となるメロディです。
流し踊りではぞめきで踊ります。
【吉野川】
−よしのがわ−
ギタリスト寺内タケシ氏作曲。
徳島に流れる雄大な「吉野川」をイメージして演奏します。
【祖谷の粉ひき唄】
−いやのこひきうた−
徳島県の民謡。
祖谷村は急峻な土地であったため農地に向かず粟・ひえ等を粉にして常食していたといいます。その穀物の粉を引く作業の際に唄われました。
三味線のぞめきととてもよく合うメロディです。
【阿波の麦打ち唄】
−あわのむぎうちうた−
刈り取った穂首を棒などで叩いて麦粒を落とす作業の際に唄われました。
全国各地に伝わる作業唄ですが、徳島では藍の栽培が盛んであったため、歌詞にも藍という言葉が盛り込まれています。
と主なところではこの4つでしょうか。
この他にもちびっ子踊り用の曲や東京新のんき連オリジナルの曲などあります。
どれも阿波おどりをより深く演出できる素敵なメロディの曲ばかりで、私も一つ一つ覚えているところです♪
『ぞめき』です!
先ほど色んな曲の紹介をしたのに何ですが(笑)、やはり阿波おどりの醍醐味は「ぞめき」にあると思います。
もちろん民謡などの曲を使うことによって、演舞の構成に広がりが出て様々な場面を作ることができますし、演奏する私たちもとても楽しいです(^ ^)
しかしあえて私がぞめきを推す理由は、ぞめきのメロディは連によって少しずつ違うため、連の特色がすごく表現されるところだと思うからです。
細かい笛の演奏の違いは分からなくとも、なんだかお囃子の雰囲気がなんか違うなっというのはきっと感じてもらえると思います。
色んな連のぞめきを聴き比べて自分の贔屓の連を見つけるのも阿波おどりの楽しみ方の一つですね♪
篠笛は初心者には音を出すだけでも一苦労な楽器です。
私も3年程前から笛の練習をはじめましたが一向に上達しません。
もちろん私の練習不足も多々あります(笑)
何とか音は出るようになっても息は続かないし音色は汚いし音程は安定しません(-o-;)
このようにスタートラインに立つのも難しい楽器ですから、だからこそ美しい笛の音色というのは聴いている人の胸を打つのかもしれませんね。
次回はついに!私の担当、三味線の出番です!!
『鳴らす阿呆へまっしぐら〜三味線〜』8月の中旬頃に公開予定です。
お楽しみにー♪
梅雨まっさかりですね。
ムシムシする日が続いていますが、三味線も私も湿気に滅法弱いので、温度・湿度ともに万全な空調管理がされた我が家で快適にこのブログを書いております(^▽^)
さて『鳴らす阿呆へまっしぐら』も第5回目となりました。
毎回、頭から煙を出しながら書いていますがもう終盤戦です!
これまでのブログを読みたいという方はコチラ↓からどうぞ♪
『 鉦編』 『大太鼓編』 『締太鼓編』
今日のお題
では今日のまっしぐらお題は『 笛』です!
お囃子の主旋律を奏でる、いわば阿波おどり鳴り物の花形です。
和楽器において横笛は「龍笛」「能管」「神楽笛」「篠笛」などがありますが、阿波おどりのお囃子では主に「篠笛」が使われます。
「龍笛」「神楽笛」は雅楽、「能管」は能楽や歌舞伎などで使用されますが、「篠笛」は庶民の笛という形で発展したため阿波おどりなど各地の祭囃子で使用されるようになったようです。
そんな庶民の味方な篠笛ですが、篠笛の中でも古典調や唄用などいくつか種類があります。
このブログでは阿波おどりで主に用いられる「唄用」と言われるドレミで調律された篠笛について書いていきます。
材質・サイズ
さてでは実際の篠笛を見てみましょう。連の笛メンバーにお願いし、ずらっと並べてみました!
サイズが全然違うー!
上から
・一本調子
・六本調子
・七本調子
・七本調子(六穴)
となっており私が使っているのは下から2番目の「七本調子」のみさと笛です。
さっそく聞き慣れない単語がたくさん出て来ましたね(^ ^)
まずX本調子と言っているのは、音の高さのことです。
数が大きくなるほど音は高くなります。
東京新のんき連では「七本調子」で演奏しますので、笛も「七本調子の笛」を用います。
唄用の篠笛はドレミに合うように調律されていますので、 笛の調子を西洋音階で表すとこのようになります。
この表から七本調子の笛は基音が「B」の笛ということが分かります。
そして私の使用している「みさと笛」は「篠笛」にはない 裏穴が空けられており、より西洋音階(ドレミ)と合わせやすいように篠笛を改良されたものです。
では本題の材質およびサイズを。
各部位の名称 |
【材質】・・・しの竹
【サイズ】・・・長さ:約41cm
本数が小さい方が長さ太さともに大きくなります。
上の画像を見ても分かる通り、一本調子の笛が一番大きいですね(^ ^)
【塗り】・・・カシュー、本漆など
一般的に竹筒の内部は乾燥や湿気防止のため、カシューという漆系の合成塗料が塗られています。
高級品になると本漆が使用され、竹筒の外側にも塗られます。
また、全く塗りのないものを「素竹」といい響きもよいとされていますが、強度が落ちるため特に湿度変化には注意が必要です。
【巻き】・・・藤や樺など
画像では分かりにくいですが、細い糸のようなものが上下に巻き付けられています。
竹はその性質上縦に割れやすいので、筒の上からぐるぐると巻いて強度を出します。
素竹:何も巻かれていません。締め付けられていないため音が出しやすいと言われていますが乾燥などに弱くなります。
天地巻き:笛の両端にのみ巻かれています。素竹よりも強度にすぐれています。
半重:天地巻きよりも多く巻かれます。強度にもすぐれ力強い音色になります。
あと画像にはありませんが「総巻」という巻き方もあり、これは笛全体に巻きがあります。
巻きは装飾の意味合いもあり、総巻の笛はとても美しいです(=^ ^=)
笛のメロディ
次に東京新のんき連で吹いている笛のメロディについて。町を練り歩く流し踊りでは「ぞめき」のみで踊りますが、舞台などの演舞では様々な曲を演奏します。
その一部分ですがご紹介したいと思います。
【ぞめき】
いわゆる阿波おどりの基本となるメロディです。
流し踊りではぞめきで踊ります。
【吉野川】
−よしのがわ−
ギタリスト寺内タケシ氏作曲。
徳島に流れる雄大な「吉野川」をイメージして演奏します。
【祖谷の粉ひき唄】
−いやのこひきうた−
徳島県の民謡。
祖谷村は急峻な土地であったため農地に向かず粟・ひえ等を粉にして常食していたといいます。その穀物の粉を引く作業の際に唄われました。
三味線のぞめきととてもよく合うメロディです。
【阿波の麦打ち唄】
−あわのむぎうちうた−
刈り取った穂首を棒などで叩いて麦粒を落とす作業の際に唄われました。
全国各地に伝わる作業唄ですが、徳島では藍の栽培が盛んであったため、歌詞にも藍という言葉が盛り込まれています。
と主なところではこの4つでしょうか。
この他にもちびっ子踊り用の曲や東京新のんき連オリジナルの曲などあります。
どれも阿波おどりをより深く演出できる素敵なメロディの曲ばかりで、私も一つ一つ覚えているところです♪
聴きどころ・観どころ
では最後に笛の聴きどころ・観どころは『ぞめき』です!
先ほど色んな曲の紹介をしたのに何ですが(笑)、やはり阿波おどりの醍醐味は「ぞめき」にあると思います。
もちろん民謡などの曲を使うことによって、演舞の構成に広がりが出て様々な場面を作ることができますし、演奏する私たちもとても楽しいです(^ ^)
しかしあえて私がぞめきを推す理由は、ぞめきのメロディは連によって少しずつ違うため、連の特色がすごく表現されるところだと思うからです。
細かい笛の演奏の違いは分からなくとも、なんだかお囃子の雰囲気がなんか違うなっというのはきっと感じてもらえると思います。
色んな連のぞめきを聴き比べて自分の贔屓の連を見つけるのも阿波おどりの楽しみ方の一つですね♪
篠笛は初心者には音を出すだけでも一苦労な楽器です。
私も3年程前から笛の練習をはじめましたが一向に上達しません。
もちろん私の練習不足も多々あります(笑)
何とか音は出るようになっても息は続かないし音色は汚いし音程は安定しません(-o-;)
このようにスタートラインに立つのも難しい楽器ですから、だからこそ美しい笛の音色というのは聴いている人の胸を打つのかもしれませんね。
次回予告
今回も長々とお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m次回はついに!私の担当、三味線の出番です!!
『鳴らす阿呆へまっしぐら〜三味線〜』8月の中旬頃に公開予定です。
お楽しみにー♪