2016年7月27日水曜日

生まれて初めて踊り子として徳島市阿波踊りに参加、そして一年経って感じたこと

こんにちわ。男踊り、にっしゃんです。



先週末 7/24(日)は、高円寺中通り商店街でのプレ阿波踊りにて踊りを披露させていただきました。当日、遊びにきて下さった皆様、本当にありがとうございました。

僕個人としても、昨年の夏に踊り子としてデビューを果たし、早1年経ち、再び中踊り商店街で踊りを披露でき、非常に感慨深い週末となりました。

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さて、年初から長きに渡って連載してきた「僕が東京新のんき連に入ったわけ」ですが、6回目となる本記事でついに最終回です。

演舞場での踊り(2015年夏)
第5回である前回「見学、そしてついに東京新のんき連に入連!」では、入連先を探して見学を始めてから実際に東京新のんき連に入連を決めたところまでを書きました。最終回である、今回は、実際に入連して、初めて踊り子として徳島の阿波踊りに出演した昨年(2015年)についての感想(特に驚いたこと、入連以前と印象が変わったことなど)を書きたいと思います。

入連して驚いたこと その1: とにかく練習量が豊富


基礎練習の様子
東京新のんき連に入連した人がおそらく必ず驚くことは、まず、練習が多い!ことです。見学の際に連長から連の方針や活動内容について説明を受けており、分かった上で入連していますが、それでも実際に活動してみると驚きます^^;

連のWebサイト上のスケジュールをご覧いただくと分かると思いますが、ほぼ毎週、練習日があります。昨年度、年間通じて、練習が100回程度あったそうです(3日の1回ペースですね!)。

これは、

  • 1日に連員全体そろっての練習と、踊り子や鳴り物といった担当パートの練習の両方があったりするため
  •  阿波踊りシーズンである夏前になると出演に向けての最終調整が増えるため、自然と練習回数を増やす必要があるため


といった理由もあり、1日に何回も練習時間がもうけられていることがありますが、たくさん練習していることがお分かりいただけたと思います。

入連して驚いたこと その2: 基礎、基礎、基礎、とにかく基礎


では、その豊富な練習日に何をしているのでしょうか?大きく分けると、

(1) 基礎練習
(2) お祭り出演時に披露する演舞の練習

です。

2つの間でも時間を多く注いでいるのが (1) 基礎練習 の方だと思います。男踊りであれば、お囃子の音楽にそって中腰になり、二拍子のステップを刻む、あの踊りを繰り返します。阿波踊り連で活動されていない方からすれば、「阿波踊りは単純な踊りなのに、どこにそんな時間をかけてやるほどの基礎があるのか」と思われるかもしれません。

僕自身の解釈は以下の2つです。


  • 第1に、熱い夏に本番を迎える阿波踊りで、長い時間踊るには体力が必要だから
  • 第2に、美しい踊りを披露できる技能を会得するには、反復練習が必要だから


僕は子供の頃に武道(空手)とスポーツ(野球)をやっていましたが、武道とスポーツの練習についてもよく知っていますが、阿波踊りと非常によく通じるものがあります。とにかく基礎の繰り返しです。理屈として頭で分かっていても思った通りには体は動かないので、やれることは基礎を繰り返し、鏡で自分の動きを見たり、先輩にチェックしてもらいます。

驚くほど地道な作業ですね^^;

入連して驚いたこと その3: 演舞の演出が意外に緻密


徳島に住んでいた頃に、徳島市阿波踊りの演舞場で見る流し(パレード)の踊りだけを見ていた時は、阿波踊りは、単純動作の繰り返しと即興が特徴のシンプルな踊りという印象を受けていました。しかし、実際に踊る側になると、先ほど挙げたお祭り出演時に披露する演舞の方は、また印象が異なってきました。

演舞では、限られた時間の中で(おおよそ10分程度)、いくつかの異なる踊りを組み合わせていきます。

練習の中では、

  • 出演時間が限られている制約の中で、各演舞のパートの長さを秒単位で調整する作業
  • 演出上の効果を最大化し、お客様に感動を与えられるよう、踊り子の足の運びや移動の仕方、お囃子の曲調を細かに調整する作業

を繰り返しながら、連員同士で議論し、最終的に本番当日に披露する演舞を仕上げています。各人は阿波踊りならではの即興を取り入れつつも、制限の中で演舞を成立させるために緻密な設計を行っていることに気づきました。

入連して驚いたこと その4: 踊りの後の打ち上げが最高


はい、踊って汗かいたらビールですね^^ 出演の日は、1日の中で、いろんな感情がうまれます。


  • 本番を迎えるまでは、緊張感に包まれ、
  • 本番が始まり、演舞を披露する時には、強い高揚感に包まれ、
  • 本番が終わって、緊張がいっきに弛緩して、気分爽快。連の仲間で打ち上げへ


これだけの感情の高まりは、大人になると日常生活では得難い体験だと思います。基礎練習は辛いときもありますが、本番の日の爽快感がやみつきになります。

最後に: 阿波踊りは人と人をつなぐ絆


阿波踊り連に入連する前、大人になってから阿波踊りに対する見方が変わってきたのは、一緒に阿波おどりを見に行った県外の友達に言われた一言がきっかけです。

その時の友達が言っていたのは、「にっしゃんはいいね。地元にこんな盛大で誇りに思える祭りがあって。子供から老人まで、これだけ大勢の人が一緒になってやれるお祭りはどこにでもあるわけじゃないよ。」ということです。

僕にとって阿波踊りは、生まれた時にはすでに当たり前のものとして存在していたもので、全国的には稀有な存在である意識は全くなかったのです。友達に指摘されて、確かにそうなんだなと、初めて認識したのでした。そして、大人になってようやく大勢の人が熱意と労力を注いでお祭りを継続して運営している当たり前の事実も気付くようになりました。

これまでは、心のどこかに、地元のお祭に貢献していない、なんとも言えない後ろめたさを感じていましたが、2015年からようやく踊り子として帰郷して地元の祭りに貢献することができ、心のつっかかりが取れたような気がしました。

といっても、踊りはまだまだ未熟ですので ^^;、今後ともお客様に見に来て良かったと感激していただけるよう精進していきたいと思います。読者の皆様、阿波踊りのお祭り本番にお越しの際は応援よろしくお願いします。

(僕が東京新のんき連に入ったわけ 連載 完)

2016年7月20日水曜日

連員インタビュー!~鳴り物編~

こんにちは!男踊りみっしーです。

今週末7/24(日)は高円寺中通り商店街でプレ阿波踊りに参加致します。
私は1年前のこのお祭りで人前で踊るデビューを果たしたので、個人的に思い入れがあります。
飛び込み参加できる「にわか連」の時間もありますので、お時間ある方是非遊びにいらしてください♪
詳細は高円寺中通り商店街のHPをご確認ください。

さて、今回の連員インタビューは、鳴り物リーダーの結さんにお話を伺いました♪
結さんは東京新のんき連発足当初からのメンバーで、三味線と笛を担当されています。

-早速ですが結さんが東京新のんき連に入ったきっかけは何だったんですか?

「きっかけは、バーで隣に座った人から『三味線弾いてみたくない?』って誘われて、
ついて行ったらいつのまにか東京新のんきに入っていた感じかな。」

-きっかけはバー!すごいオシャレ!(笑)

「まだその時は東京新のんきって名前ではなかったけどね。」

-それまでは何か楽器を演奏する経験はあったんですか?

「バンドでベースとかドラムをやってたよ。楽器を集めるのも好きだったから、その流れで三味線に興味を持ったんだろうね~。ちなみに最初に出てきたバーっていうのは、元バンドメンバーが開いたお店だったんだ。」

-そうなんですね!縁が繋がっていった形で素敵ですね♪
 最初のきっかけは三味線とのことでしたが、笛を始めるきっかけは何かありましたか?

「三味線と同じくらいから練習はしてたけど、笛メンバーが少なくなってしまった時期があって。
それから本格的に吹くようになったかな。でも、最初は凄い息が切れて辛くて、まともに吹けるようになったのはそれからまた一年後くらいかなあ?」

-今の綺麗な音色を習得するまで大変だったんですね。
せっかく三味線と笛と両方担当されているので、それぞれの魅力を聞かせていただけますか?

「三味線の魅力は・・・。楽器自体もかっこいいし、音も『和』って感じで良いよね。
三味線は流しでやる時鳴り物の先頭なんだけど、景色が凄いんだ。
広い演舞場なんかだと前が一面ブワーッて踊り子が見えて、中々の特等席だよ。」

-三味線は流しのときの特等席、ってなるほど!踊り子は絶対見えない景色だから、ちょっと羨ましくなっちゃいますね(笑)

「笛は、シンプルなのが魅力。鳴り物では荷物も一番少なくて軽いし、楽。
ただの穴の空いた筒なんだけど、それゆえか自分が楽器の一部になったような一体感が感じられる。体調や気候なんかで、鳴りが良い時や悪い時の差が顕著でムラっ気があるところも面白い部分かな。」

-自分が楽器になったような一体感…そう想って笛の音色を聴くとますます深くなりますね。
 では次に、結さんが感じる東京新のんき連の好きなところ、魅力を聞かせてください!

「東京新のんきの鳴り物はとてもユニークで魅力的だと思う。特に笛と大太鼓は特徴的だね。
単に他の連と違うことしてるってだけじゃなくて、徳島新のんきの歴史があるからこそ、堂々と個性を出せるんだよね。」

-しっかりと徳島新のんきの歴史を汲んでいる、ということですね。
最後に鳴り物の目標を聞かせてください!

「1人でも多くの人に阿波踊りのお囃子ってかっこいいなあ、と思ってもらえるような演奏をすること、かな。」

-今年の夏もたくさんの方に楽しんでいただきたいですね!
ありがとうございました!

結さん、お話ありがとうございました。
次回もお楽しみに♪

2016年7月13日水曜日

鳴らす阿呆へまっしぐら〜笛〜

こんにちは。三味線ちづるです。
梅雨まっさかりですね。
ムシムシする日が続いていますが、三味線も私も湿気に滅法弱いので、温度・湿度ともに万全な空調管理がされた我が家で快適にこのブログを書いております(^▽^)

さて『鳴らす阿呆へまっしぐら』も第5回目となりました。
毎回、頭から煙を出しながら書いていますがもう終盤戦です!
これまでのブログを読みたいという方はコチラ↓からどうぞ♪
鉦編』 『大太鼓編』 『締太鼓編

今日のお題

では今日のまっしぐら
お題は『 』です!

お囃子の主旋律を奏でる、いわば阿波おどり鳴り物の花形です。

和楽器において横笛は「龍笛」「能管」「神楽笛」「篠笛」などがありますが、阿波おどりのお囃子では主に「篠笛」が使われます。

「龍笛」「神楽笛」は雅楽、「能管」は能楽や歌舞伎などで使用されますが、「篠笛」は庶民の笛という形で発展したため阿波おどりなど各地の祭囃子で使用されるようになったようです。

そんな庶民の味方な篠笛ですが、篠笛の中でも古典調や唄用などいくつか種類があります。
このブログでは阿波おどりで主に用いられる「唄用」と言われるドレミで調律された篠笛について書いていきます。


材質・サイズ

さてでは実際の篠笛を見てみましょう。
連の笛メンバーにお願いし、ずらっと並べてみました!


サイズが全然違うー!
上から
・一本調子
・六本調子
・七本調子
・七本調子(六穴)

となっており私が使っているのは下から2番目の「七本調子」のみさと笛です。

さっそく聞き慣れない単語がたくさん出て来ましたね(^ ^)
まずX本調子と言っているのは、音の高さのことです。
数が大きくなるほど音は高くなります。
東京新のんき連では「七本調子」で演奏しますので、笛も「七本調子の笛」を用います。

唄用の篠笛はドレミに合うように調律されていますので、 笛の調子を西洋音階で表すとこのようになります。

この表から七本調子の笛は基音が「B」の笛ということが分かります。

そして私の使用している「みさと笛」は「篠笛」にはない 裏穴が空けられており、より西洋音階(ドレミ)と合わせやすいように篠笛を改良されたものです。


では本題の材質およびサイズを。

各部位の名称

【材質】・・・しの竹 

【サイズ】・・・長さ:約41cm
本数が小さい方が長さ太さともに大きくなります。
上の画像を見ても分かる通り、一本調子の笛が一番大きいですね(^ ^)

【塗り】・・・カシュー、本漆など
一般的に竹筒の内部は乾燥や湿気防止のため、カシューという漆系の合成塗料が塗られています。
高級品になると本漆が使用され、竹筒の外側にも塗られます。
また、全く塗りのないものを「素竹」といい響きもよいとされていますが、強度が落ちるため特に湿度変化には注意が必要です。

【巻き】・・・藤や樺など
画像では分かりにくいですが、細い糸のようなものが上下に巻き付けられています。
竹はその性質上縦に割れやすいので、筒の上からぐるぐると巻いて強度を出します。

素竹:何も巻かれていません。締め付けられていないため音が出しやすいと言われていますが乾燥などに弱くなります。
天地巻き:笛の両端にのみ巻かれています。素竹よりも強度にすぐれています。
半重:天地巻きよりも多く巻かれます。強度にもすぐれ力強い音色になります。

あと画像にはありませんが「総巻」という巻き方もあり、これは笛全体に巻きがあります。
巻きは装飾の意味合いもあり、総巻の笛はとても美しいです(=^ ^=)


笛のメロディ

次に東京新のんき連で吹いている笛のメロディについて。
町を練り歩く流し踊りでは「ぞめき」のみで踊りますが、舞台などの演舞では様々な曲を演奏します。
その一部分ですがご紹介したいと思います。

【ぞめき】
いわゆる阿波おどりの基本となるメロディです。
流し踊りではぞめきで踊ります。

【吉野川】
−よしのがわ−
ギタリスト寺内タケシ氏作曲。
徳島に流れる雄大な「吉野川」をイメージして演奏します。

【祖谷の粉ひき唄】
−いやのこひきうた−
徳島県の民謡。
祖谷村は急峻な土地であったため農地に向かず粟・ひえ等を粉にして常食していたといいます。その穀物の粉を引く作業の際に唄われました。
三味線のぞめきととてもよく合うメロディです。

【阿波の麦打ち唄】
−あわのむぎうちうた−
刈り取った穂首を棒などで叩いて麦粒を落とす作業の際に唄われました。
全国各地に伝わる作業唄ですが、徳島では藍の栽培が盛んであったため、歌詞にも藍という言葉が盛り込まれています。


と主なところではこの4つでしょうか。
この他にもちびっ子踊り用の曲や東京新のんき連オリジナルの曲などあります。
どれも阿波おどりをより深く演出できる素敵なメロディの曲ばかりで、私も一つ一つ覚えているところです♪


聴きどころ・観どころ

では最後に笛の聴きどころ・観どころは

ぞめき』です!

先ほど色んな曲の紹介をしたのに何ですが(笑)、やはり阿波おどりの醍醐味は「ぞめき」にあると思います。
もちろん民謡などの曲を使うことによって、演舞の構成に広がりが出て様々な場面を作ることができますし、演奏する私たちもとても楽しいです(^ ^)

しかしあえて私がぞめきを推す理由は、ぞめきのメロディは連によって少しずつ違うため、連の特色がすごく表現されるところだと思うからです。
細かい笛の演奏の違いは分からなくとも、なんだかお囃子の雰囲気がなんか違うなっというのはきっと感じてもらえると思います。
色んな連のぞめきを聴き比べて自分の贔屓の連を見つけるのも阿波おどりの楽しみ方の一つですね♪

篠笛は初心者には音を出すだけでも一苦労な楽器です。
私も3年程前から笛の練習をはじめましたが一向に上達しません。
もちろん私の練習不足も多々あります(笑)
何とか音は出るようになっても息は続かないし音色は汚いし音程は安定しません(-o-;)

このようにスタートラインに立つのも難しい楽器ですから、だからこそ美しい笛の音色というのは聴いている人の胸を打つのかもしれませんね。


次回予告

今回も長々とお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m
次回はついに!私の担当、三味線の出番です!!
鳴らす阿呆へまっしぐら〜三味線〜』8月の中旬頃に公開予定です。
お楽しみにー♪

2016年7月6日水曜日

女踊りの小物紹介☆~カラスにも負けない!編み笠編~

こんにちは、女踊りのせきまゆです。

週末から急に暑くなってきましたね。
先週は徳島の選抜阿波おどり大会前夜祭のチケットを購入しました!
前夜祭を観るのは初めてなので、今からとっても楽しみです☆

さて、今回は女踊りの必須アイテム、編み笠についてご紹介します。(せきまゆ調べ)

私の編み笠と編み笠ケースです。ミニ笠も一緒に♪

被っている写真はこちら。
前から、横から、後ろから。
撮影: 杉浦健一郎様

目深に被りうなじを強調して妖艶さを表現しています。
害鳥を追うために被っていた鳥追い笠が元になっているそうですよ
確かに、頭をブンブン振れば、カラスくらい簡単に追っ払えそうですね。


そして、歴代のポスターをみていくと、年々角度が急になっているのがわかります。

ファッションの流行の変化みたいで面白い!
10年後20年後、どうなっていくんでしょうね☆