先週末 7/24(日)は、高円寺中通り商店街でのプレ阿波踊りにて踊りを披露させていただきました。当日、遊びにきて下さった皆様、本当にありがとうございました。
僕個人としても、昨年の夏に踊り子としてデビューを果たし、早1年経ち、再び中踊り商店街で踊りを披露でき、非常に感慨深い週末となりました。
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さて、年初から長きに渡って連載してきた「僕が東京新のんき連に入ったわけ」ですが、6回目となる本記事でついに最終回です。
演舞場での踊り(2015年夏) |
入連して驚いたこと その1: とにかく練習量が豊富
基礎練習の様子 |
連のWebサイト上のスケジュールをご覧いただくと分かると思いますが、ほぼ毎週、練習日があります。昨年度、年間通じて、練習が100回程度あったそうです(3日の1回ペースですね!)。
これは、
- 1日に連員全体そろっての練習と、踊り子や鳴り物といった担当パートの練習の両方があったりするため
- 阿波踊りシーズンである夏前になると出演に向けての最終調整が増えるため、自然と練習回数を増やす必要があるため
といった理由もあり、1日に何回も練習時間がもうけられていることがありますが、たくさん練習していることがお分かりいただけたと思います。
入連して驚いたこと その2: 基礎、基礎、基礎、とにかく基礎
では、その豊富な練習日に何をしているのでしょうか?大きく分けると、
(1) 基礎練習
(2) お祭り出演時に披露する演舞の練習
です。
2つの間でも時間を多く注いでいるのが (1) 基礎練習 の方だと思います。男踊りであれば、お囃子の音楽にそって中腰になり、二拍子のステップを刻む、あの踊りを繰り返します。阿波踊り連で活動されていない方からすれば、「阿波踊りは単純な踊りなのに、どこにそんな時間をかけてやるほどの基礎があるのか」と思われるかもしれません。
僕自身の解釈は以下の2つです。
- 第1に、熱い夏に本番を迎える阿波踊りで、長い時間踊るには体力が必要だから
- 第2に、美しい踊りを披露できる技能を会得するには、反復練習が必要だから
僕は子供の頃に武道(空手)とスポーツ(野球)をやっていましたが、武道とスポーツの練習についてもよく知っていますが、阿波踊りと非常によく通じるものがあります。とにかく基礎の繰り返しです。理屈として頭で分かっていても思った通りには体は動かないので、やれることは基礎を繰り返し、鏡で自分の動きを見たり、先輩にチェックしてもらいます。
驚くほど地道な作業ですね^^;
入連して驚いたこと その3: 演舞の演出が意外に緻密
徳島に住んでいた頃に、徳島市阿波踊りの演舞場で見る流し(パレード)の踊りだけを見ていた時は、阿波踊りは、単純動作の繰り返しと即興が特徴のシンプルな踊りという印象を受けていました。しかし、実際に踊る側になると、先ほど挙げたお祭り出演時に披露する演舞の方は、また印象が異なってきました。
演舞では、限られた時間の中で(おおよそ10分程度)、いくつかの異なる踊りを組み合わせていきます。
練習の中では、
- 出演時間が限られている制約の中で、各演舞のパートの長さを秒単位で調整する作業
- 演出上の効果を最大化し、お客様に感動を与えられるよう、踊り子の足の運びや移動の仕方、お囃子の曲調を細かに調整する作業
を繰り返しながら、連員同士で議論し、最終的に本番当日に披露する演舞を仕上げています。各人は阿波踊りならではの即興を取り入れつつも、制限の中で演舞を成立させるために緻密な設計を行っていることに気づきました。
入連して驚いたこと その4: 踊りの後の打ち上げが最高
はい、踊って汗かいたらビールですね^^ 出演の日は、1日の中で、いろんな感情がうまれます。
- 本番を迎えるまでは、緊張感に包まれ、
- 本番が始まり、演舞を披露する時には、強い高揚感に包まれ、
- 本番が終わって、緊張がいっきに弛緩して、気分爽快。連の仲間で打ち上げへ
これだけの感情の高まりは、大人になると日常生活では得難い体験だと思います。基礎練習は辛いときもありますが、本番の日の爽快感がやみつきになります。
最後に: 阿波踊りは人と人をつなぐ絆
阿波踊り連に入連する前、大人になってから阿波踊りに対する見方が変わってきたのは、一緒に阿波おどりを見に行った県外の友達に言われた一言がきっかけです。
その時の友達が言っていたのは、「にっしゃんはいいね。地元にこんな盛大で誇りに思える祭りがあって。子供から老人まで、これだけ大勢の人が一緒になってやれるお祭りはどこにでもあるわけじゃないよ。」ということです。
僕にとって阿波踊りは、生まれた時にはすでに当たり前のものとして存在していたもので、全国的には稀有な存在である意識は全くなかったのです。友達に指摘されて、確かにそうなんだなと、初めて認識したのでした。そして、大人になってようやく大勢の人が熱意と労力を注いでお祭りを継続して運営している当たり前の事実も気付くようになりました。
これまでは、心のどこかに、地元のお祭に貢献していない、なんとも言えない後ろめたさを感じていましたが、2015年からようやく踊り子として帰郷して地元の祭りに貢献することができ、心のつっかかりが取れたような気がしました。
といっても、踊りはまだまだ未熟ですので ^^;、今後ともお客様に見に来て良かったと感激していただけるよう精進していきたいと思います。読者の皆様、阿波踊りのお祭り本番にお越しの際は応援よろしくお願いします。
(僕が東京新のんき連に入ったわけ 連載 完)